ゴミ屋敷とトイプードルと私。のまみりこ編は大食いYoutuberのまみりこが奮闘するストーリーでしたが、印象に残っているのがまみりこの親友、ちえです。
ちえはただのモブキャラかと思われましたが、後半に行くにつれて存在感を放ってきました。
ちえの闇について書いてみました。
※以下、「♯キラキラtuberまみりこ」編までのネタバレしています。
ゴミ屋敷とトイプードルと私。まみりことちえの関係
まみりこは昔から顔がかわいく、周りにちやほやされて育っていました。
ちえはまみりこの友達で小中高と同じ。
まみりことずっと一緒にいましたが、まみりこがちやほやされる傍らで、目立たない存在でした。
大人になってもそれは変わらず、youtuberとして活動するまみりこのそばで甲斐甲斐しくまみりこの世話を焼いていました。
大人になってまでまみりこに振り回されなくていいのに、と思いましたが、ストーリーが進むにつれて、そこには裏があることがわかっていったのです。
ゴミ屋敷とトイプードルと私。まみりこ編のちえはフレネミー
ゴミ屋敷とトイプードルと私のちえはフレネミーだと思います。
※フレネミーはフレンド(友達)+エネミー(敵)の略。
友達のフリをした敵、のことです。
学生時代は顔がかわいい人、声が大きい人、目立つグループにいる人がちやほやされます。
おとなしい人、地味な人はちやほやされません。
それぞれのグループで過ごすのがよくあるパターンですが、まみりこは地味な人を周りに置いておきたいタイプ。
こういう人ってたまにいますよね。
女友達を引き立て役のように扱う人です。
なのでまみりこはちえを自分の都合の良いように扱ってきました。
ちえもそこに気づきながらも、離れられず。
それは小学生の時に父親に虐待されていたのをまみりこが助けてくれたから、というのもあるけど、実はちえもまみりこに必要とされる自分に価値を感じていたんですよね。
かわいいまみりこに頼られる私、というか。
最終話でもまみりこのことを「本当は大好き」と抱きしめていましたからね。。
女子でも綺麗な子、かわいい子と友達になりたがる人は一定数いるので。
ちえは自分からまみりこに近づいていったわけじゃないけど、まみりこといることを全力で拒否してきたわけではないので、旨味も感じていたはずです。
ちえは自分がまみりこを大切にするように、まみりこにも自分を大切に扱ってほしい、という思いが根底にありました。
でもまみりこは自己中で自分勝手。
成り上がるためになんでもする女です。
ちえのことを嫌いだったわけではないし、友達と思っていた部分もあると思うけど、友情にエネルギーを注ぐタイプでは絶対にない。
そこで不協和音が生じました。
ちえはこれまでの鬱憤をはらすべく、まみりこの成り上がりを邪魔しようとしました。
しかし、まみりこはいつもの機転を利かせて窮地を切り抜けました。
ちえの話は、学生時代に地味だった人の怖さがよく現れていました。
学生時代は地味でおとなしく、目立つ友達を横から眺めているだけ。
得意なことが何もないから、友達の自慢を黙って聞いているだけ。
内心、「いいなー羨ましい」「私もそうなりたい」と思っているけど何も言わない。
私もいつかきっと、と逆転を夢見て、密かに闘志を燃やしている…
そういう人が大人になった時に暴走することがあります。
友達より先に結婚、出産をして勝手に「勝った!」と思い、マウンティングしたり、見下したりするようになります。
される方は本当に「え??」と、突然現れた本性に驚きます。
こんな人だったんだ、と。
まみりこもちえの暴走に驚いていましたよね。
「ちえ、私をツブそうとしてる?」って。
大人しいし、本音を隠していて内心どう思っているか気づかなかったので、大人しいイメージのままで見てしまっていたんですよね。
ある意味、されたほうは羨ましいと思われていたことにも気づいていない。
眼中にない状態だった、とも言えます。
ちえのような大人しい人にとってはそれが余計にイラつきます。
読めば読むほど考えさせられる作品でした。
こういう女の友達関係の複雑さを書いた作品ってないので、本当にこの作品はすごいと思います。
ゴミ屋敷とトイプードルと私シリーズの中でも「まみりこ」編が一番読み応えがあります。
そしてなんと、次はちえが主人公の「負け組女子会」編がスタートしました!
びっくりです(笑)
これで地味キャラのちえが、学生時代にどう思っていたのかなどの心情がもっと詳しくわかるでしょう。
まみりこ編では絶交したように見えた2人ですが、今後の友情についても気になります。
今後も楽しみです。
ゴミ屋敷とトイプードルと私のちえ編はebookJapanで読めます。